"NIKE(ナイキ)"の歴史を語るうえで欠かせないアーカイブ、"MOON SHOE(ムーン シュー)"。その始まりは、共同創業者でありオレゴン大学の陸上コーチでもあった"BILL BOWERMAN(ビル・バウワーマン)"の実験精神にある。硬いトラックでも軽く、しっかりと路面を捉えるアウトソールを求めていた彼は、家庭用のワッフルメーカーの格子模様から着想を得て、のちに"WAFFLE SOLE(ワッフルソール)"と呼ばれる革新的なアウトソールの原型を生み出した。1972年には、米国オリンピックトライアルへ向けて少数のプロトタイプが手作業で製作され、その足跡が月面に残された跡を思わせたことから、"MOON SHOE"の名で語り継がれるようになった。
その希少性はスニーカーカルチャーの中でも特別で、2019年には未着用ペアがサザビーズで高額落札され、ナイキの原点を象徴する存在として改めて注目を集めた。近年は"JACQUEMUS(ジャックムス) × NIKE MOON SHOE"をきっかけにファッションシーンでも再評価が進み、薄く低いロープロファイル、ジグザグに処理されたアイステイ、大ぶりなスウッシュ、ラバーのワッフルアウトソールといった素朴な機能美が、現代のスタイリングにも新鮮に映っている。インラインでも"SAIL/SAIL/BLACK"、"MIDNIGHT NAVY"、"CACAO WOW"、"ITALY BLUE"などが相次ぎ、歴史的プロトタイプを日常で履けるアーカイブとして楽しめる流れが広がっている。
今回のウィメンズモデルでは、ナイロンとレザーを組み合わせたロープロファイルのアッパーを、柔らかなセイルカラーで構成。トゥやヒールの補強パーツ、細かなステッチワーク、クラシックな筆記体ロゴが、70年代のランニングシューズらしい簡素なムードを残している。サイドの大ぶりなスウッシュとインソールには鮮やかなクロロフィルを差し込み、ヴィンテージ感のあるシルエットに清涼感をプラス。足元にはブラウンのワッフルアウトソールを合わせ、ナイキの出発点となった発明を視覚的にも強調している。素朴なアーカイブ感と春夏らしい軽やかさを両立した一足となっている。
海外では2026年7月4日よりNIKE SNKRSにて発売予定。価格は2299 MXN。また新たな情報が入り次第、スニーカーウォーズのXやFacebookなどで報告したい。
(pic. NIKE)