1996年末から1997年にかけて"NIKE(ナイキ)"から登場した"AIR ZOOM FLIGHT V(エア ズーム フライト ファイブ)"。"DALLAS MAVERICKS(ダラス・マーベリックス)"で背番号5を着用していた"JASON KIDD(ジェイソン・キッド)"のために用意された、初の公式シグネチャーモデルとして知られる。低く構えたシルエットと大胆に張り出したアウトソールは、コート用のトラックスパイクを思わせる俊敏な印象を作り出し、精度の高いパスと優れたコートビジョンで試合を組み立てたキッドの足元を支えた。デビュー時にはホワイト/ネイビー/シルバーとブラック/ラピス/ホワイトの2色が展開され、マーベリックスからフェニックス・サンズへ移籍した後も着用された。
アッパーにはフルグレインレザーとデュラバックを組み合わせ、ミッドソールの外側には横方向の動きを支えるファイロン製ウイングを配置。その中央に収めた玉虫色のTPUパーツは、コレクターから"BUG EYE(バグアイ)"の愛称で呼ばれてきた。足裏には薄型で反発性に優れるZoom AirとTPU製ミッドフットシャンクを搭載し、接地感、安定性、グリップ力をバランス良く確保。日本人初のNBAプレーヤーとなった"田臥勇太"も長年愛用し、その姿を通じて日本の競技者にも広く知られる存在となった。生産終了後も着用を望んだため、ナイキの担当者が各地の在庫を探したとされる逸話は、このモデルへの強い信頼を物語っている。
オリジナルの後には2008年の復刻やNikeiDでのカスタマイズ展開も行われた。一方、キッドがナイキを離れた後のモデルでは、契約上の理由からシュータンやヒールにあった"KIDD"ロゴが外されている。2027年版でパーソナルロゴが復活するかは現段階では明らかにされておらず、オリジナル仕様をどこまで再現するかも注目点となる。
既報の"BLACK / LAPIS(ブラック/ラピス)"に続き、今回はOGカラーの"WHITE / MIDNIGHT NAVY(ホワイト/ミッドナイトネイビー)"が復刻予定。ホワイトレザーを基調にミッドナイトネイビーのパーツを重ね、メタリックシルバーやパイングリーンをアクセントに加える。マーベリックス時代を思わせる端正な配色と、角度によって色彩を変える"バグアイ"が、90年代後半のナイキ バスケットボールらしい未来的な表情を生み出している。
海外では2027年夏にナイキ取扱店にて発売予定。価格は$170。また新たな情報が入り次第、スニーカーウォーズのXやFacebookなどで報告したい。
(pic. jimmy.shoetron, kicksigma, sothebys)