1997年、それまでのバスケットボールシューズの概念を覆す革新的なシルエットで登場した“AIR FOAMPOSITE ONE(エア フォームポジット ワン)”。デザインを率いた“ERIC AVAR(エリック・アヴァール)”が描いたのは、液体状の素材へ足を浸し、そのまま足全体を覆ったようなシューズだった。構想を実現するため、ポリウレタンを型へ流し込み、アッパーの形と外側のディテールを一体で成型。一般的なレザーを縫い合わせる製法とは異なる、継ぎ目の少ない硬質なシェルを完成させるまでに3〜4年を要したという。
開発途中には社内から反対の声も上がったが、その流れを変えたのが“ANFERNEE ‘PENNY’ HARDAWAY(アンファニー・“ペニー”・ハーダウェイ)”だった。製品チームとのミーティングで偶然サンプルを見つけると、次のシューズとして着用することを希望。完成版にはヒールとアウトソールへ“1CENT”ロゴが入り、フルレングスの“ZOOM AIR(ズームエア)”を搭載、ヒール部分はさらに厚みを持たせた仕様となった。鮮烈なロイヤルブルーをまとった初代は、バスケットボールコートからペニーを象徴する一足として定着していった。
“ポジット”最大の魅力は、波打つようなリブがシューズ全体へ独特の立体感を生み、光の当たり方によって色と艶の見え方が変化すること。耐久性に優れた外殻と柔らかなインナーブーティーを組み合わせることで、履き始めのしっかりした感触から、足に馴染んでいく独自のフィット感を楽しめる。足元へ強いボリュームを作りながら、縫い目や装飾を抑えた滑らかな表面によって、他のモデルにはない未来的な存在感を放つ。ワントーン、メタリック、グラフィックなど、ポジット素材をキャンバスに多彩な表現を取り込めることも、長く支持されてきた理由に挙げられる。
生誕30周年を迎える2027年に向けて、新たに噂されているのが“PINK GRADIENT(ピンク グラデーション)”。公開された予想画像では、履き口付近を鮮やかなマゼンタで染め、シェルの下側へ進むにつれて淡いピンクへ変化させている。曲面に沿って色が溶け合うことで、フォームポジット特有のリブと丸みを強調。アイステイやシューレースも同系色でまとめ、ミニスウッシュとヒールの“1CENT”には明るい色を差し込んだ。足裏には乳白色の半透明ソール、土踏まずにはブラックのシャンクプレートを組み合わせ、柔らかなピンクの中に硬質なコントラストを作り出している。
現時点では予想画像のみで、実際の配色や素材、品番、価格は明らかになっていない。海外では2027年夏にナイキ取扱店にて発売予定と報じられている。また新たな情報が入り次第、スニーカーウォーズのXやFacebookなどで報告したい。
(pic. @zsneakerheadz)